~俺と雨音~
「いらっしゃい。びっしょりよ?大丈夫?」
俺は急いで家を飛び出してきたから、雨のせいで全身びしょ濡れだった。
「シャワー使ったら?風邪ひくよ?」
「おじゃまします。」
初めて入った雨音の部屋・・・。
シンプルで、雨音らしい。
畳の部屋が多いのも、雨音らしい。
「話があるから、シャワー早く浴びてきちゃって?」
「あ・・・うん。」
なんだ、エッチがしたかったんじゃないのか。
・
・
・
「おまたせしました。」
「あ、着替えそれでいい?大きいTシャツそれしかないから・・。」
「大丈夫です。ありがと。」
「ビール、飲む?」
「うん。」
話ってなんだよ?
俺を急に呼び出すほどの・・・。
「ハルトくん・・・。明日からウチのお店に山吹が来るの、知ってる?」
「え!?し、知らなかった。店長何も言わなかったから・・。」
「そうなんだ。私ね・・・直接山吹から電話があったのよ。
大事な話がある、って。明日、仕事のあと、直接話す って。」
「へぇ・・・。」
「もう、気になって気になってしかたないのよ。眠れないの!!
だって、あの憎い山吹がよ?何を今更、私に話すって言うの?
しかも、大事な話って・・・?」
雨音は大粒の涙をこぼしながら、声を震わせていた。
「私から母を奪った男・・・。私を親戚中たらい回しにさせた男・・。」
・・・・・・・・・。
俺は雨音を優しく抱き締めた。
「・・・雨音?俺の過去、話したこと なかったよね?」
「・・・うん。」
「雨音は、まだ俺より幸せかもしれないよ。親戚の人に
お世話してもらえたんだろ?」
「え?どういうこと・・・?」
「・・・俺は施設育ちだから。気づいたら両親がいなくなってた。
父親の記憶はかすかにあるんだけどね。」
「・・・そうだったの・・・ごめんなさい。」
「でもね、だから一人でもなんでも出来るっていつも思ってる。
そして、少しスレてるところがあるってことは自分でもわかってる。
孤独になるとね、ほんとの自分に気づくことが出来るんだよ。」
「・・・そうね。」
「明日、山吹先生がどんな話するか、まったく想像出来ないけど、
間違ってもヘンな気起こさないようにね。」
「・・・わかった。ハルトくんの話聴いたら、少しラクになれた。」
雨音は俺の腕の中で目を閉じ、すやすやと寝息をたてはじめた。
安心したんだね。
俺は雨音を寝室へ運ぶと、そっとキスをして家へ帰った。
雨はいつのまにかやんでいた。
そういえばさ、雨音と俺は、まるで真逆な名前なんだね。
「雨」と「晴」か。
これも何かの縁なのかな・・・。
・
・
・
家に着くと、静まり返っていた。
真美は既に寝ていた。
あとで謝らないとな・・・。
俺は、また一人、ソファで朝を迎えた。
・
・
・
次の日。
店の近くの交差点が救急車とパトカーで大渋滞していた。
「・・・んだよ、朝っぱらから・・・。」
あ・・・れ?
血まみれの男性が一人。
!!!!!!!!!!
山吹先生じゃないか!!
「せ・・・先生っ!??」
口もきけない状態だ。
「この男性の知り合いの方ですか?」
「はい!」
「一緒に乗ってください。」
「待って!!私も乗ります!!」
ちょうど雨音が息をきらしてやってきた。
俺たちは山吹先生を乗せた救急車に乗り、近くの大学病院に
到着した。
「先生!??先生!!大丈夫ですか?」
俺の声に少し先生が反応した。
「ハル・・・ト。」
「どうしていきなり、こんな・・・・。」
俺は真っ青な先生の顔をマトモに見られない。
「話さないといけないことが・・・・。」
「そんなの、今はいいから!!!」
「・・・・・・・オマエと織原雨音は・・・・・・。」
え・・・?
俺と雨音は・・・?
「血のつながった・・・・・。」
そう言いかけて、集中治療室へ入ってしまった。
・・・・・・・・・・。
どういうことだ!?
俺と雨音が・・・・?
俺と雨音はその場にただ、呆然と立ち尽くしていた。
~つづく~
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コメント
こわっっ
兄弟と築いた今後が楽しみや
投稿: クリリン | 2008年9月11日 (木) 12時08分
クリリンさん
実は兄弟だったなんて・・・
コメントありがとうございます
どんなクライマックスが待ち受けているのでしょうか?
楽しみにしていて下さいね。
投稿: みるく | 2008年9月11日 (木) 20時29分
これは予想できませんでした(汗)映画を見ているような感じです(驚)次、期待してます♪
投稿: ラドクリフ | 2008年9月11日 (木) 21時02分
ラドクリフさん
コメントありがとうございます

予想出来ませんでした(笑)?
最初に雨音と晴人の名前が頭にぱっと浮かんだ時、この二人は運命の関係にしようと思っていたのです(笑)
これからも是非読んで下さいね
投稿: みるく | 2008年9月12日 (金) 11時21分